おいしいお茶の葉を栽培するための自然条件は幾つかあります。まず、「冷涼な河川の上流から中流の地域」であること。これは、茶葉が最も嫌う「霜」を川から立ち上る霧が防いでくれるからです。宇治川や田原川から立ち上る朝霧は、宇治田原の郷を覆い、味よし、香りよし、もちろんカテキンやビタミンなどの栄養分をたっぷりと含んだ優れた茶葉が生育するわけです。 |
また、「年間降雨量が1300ミリ以上」で、しかも「年間を通じて一定量の降雨」であることも重要な自然条件です。雨期や乾燥期が続くといった激しい気候ではなく、安定した降雨量が求められます。その上山間部で、ある程度の寒暖の差も茶葉の育成を助けますが、極端な寒冷地や高温地では茶木は育ちません。さらに「水はけと風通しがよいこと」も条件で、昔からの茶畑のほとんどが山間部の斜面を利用しているのもこのためです。 |