日本に初めてお茶が伝来したのは平安時代の初期。その頃は薬として飲まれていたと言います。その後、鎌倉時代に栄西が中国から茶の実を持ち帰り、日本のお茶が育つことになります。その茶を育てたのは宇治茶の祖・明恵上人。栄西から茶の種を譲り受けた明恵は、栂尾をはじめ、宇治や宇治田原に茶の栽培を広めたのです。 |
そんな茶文化をもつ日本人にとってお茶は「日常茶飯」。もっとも身近な飲料で、健康への効果も証明された昨今は、健康飲料としても人気を博しています。ペットボトルのお茶も出回っていますが、暮らしの潤い、人との心の交流など文化としてのお茶を考えるとき、本物のお茶の豊かさをもう一度思い出してほしいのです。急須から注がれる緑茶のおいしさ、あるいは茶筅で点てられた抹茶のふくよかな味と香り。そんなお茶のひとときを誰かと過ごす豊かさこそ、今、人々が志向するスローライフ。人の心と体と、そして地球の環境にも優しい本物の豊かさではないでしょうか。 |
日本が誇るお茶文化の神髄は「おもてなしの心」です。人と人の心のふれあいの媒介となるのがお茶で、だからこそ文化として発展してきたのですが、その理由は、茶の湯でも煎茶でもお茶を飲むまでの工程や時間を主客が共に楽しむところにあります。ご家庭でも急須でゆっくりていねいに淹れたお茶は、それだけでお客さまや家族への「おもてなし」。喉を潤すだけでなく、豊かでまったりとしたひとときは、人々の心も潤します。 |
西日本旅客鉄道株式会社様が運行を行われている豪華寝台列車「TWILIGHT EXPRESS瑞風」の旅で、ご乗車のお客様が利用される「瑞風ラウンジ」が、2023年8月2日よりリニューアルオープンされ、京都専用メニューの一つとして、古畑園の「瑞風ラウンジ専用に仕上げた煎茶」をおもてなしとして提供していただいております。 |