伝統である茶匠ならではの茶の目利き
「古畑園」は、代々の当主が文字通り茶を「撫育(ぶいく)」し、慈しみながら育てきた茶農家であり、茶匠です。茶作りの経験と勘だけでなく、茶を見る目、すなわち「鑑定法」もまた独自の方法で磨かれ、その技は代々受けつながれてきました。
毎年初夏から夏にかけて、収穫された茶葉が一次加工されて「荒茶」となって出回ると、茶匠は最良の荒茶を求めて奔走します。生き物でもある茶葉は、同じ地域から採れたものでも、日々の畑の手入れや摘み方、加工方法などで味や香りが微妙に異なっています。
もともと茶農家であった「古畑園」は、お茶の栽培から加工に至るまで、茶葉を知り尽くし、荒茶を握った時の「重み」、手に伝わる「感触」、あるいは「香り」や「色艶」、湯を注ぎ入れた時の「水色(すいしょく)」とその「味」「コク」などお茶の声を聞くように、お茶の微妙な差異や五感を駆使して見極めるノウハウを蓄積してまいりました。
何十、何百とある茶葉の中から最良の茶葉を選ぶだけでなく、茶葉本来の味と香りを引き出すことも茶匠の仕事。「火入れ」は、茶の味と香りを左右する重要な工程ですが「古畑園」では、強い「火入れ=焙煎」をあえてせず、お茶のもつ味や香りを吟味し、それを活かす最高のお茶をお客様にお届けしています。
また、ワインの鑑定にソムリエがあるように、お茶もまた室町時代から続く「茶香服」という鑑定競技がありますが、「古畑園」の茶匠はそこで優勝や入賞を果たしただけでなく、「茶審査技術大会」でも段位を取得。日本茶インストラクターや日本茶鑑定士の認定も受けた茶の匠です。